出産後

へその緒が絡まっていた我が子は顔が青ざめていました。

首もぐったりしていて動きも弱い上に泣きもしない。

妻は出産直後で疲労困憊している中、冷静なのは自分だけ・・・。

と思っていたのは自分だけでした。

一番冷静なのは助産師さん。

「大丈夫ですよ。今泣かせますね。」

・・・ん?。そんな簡単に泣かせられるの?。

と思いましたが、分娩台の近くに吸引ができる機械が置いてあり、口の中に入れたかと思うとすぐに鳴き声が。

とても安心しました。

聞くところによると、用水が気管に入っていただけ!だとか。

へその緒も首に巻き付いていましたが、妻が呼吸をしっかりしていたおかげで、胎児にもしっかりと酸素が供給できていたようです。

後に聞いた話ですが、妻よりも自分の方が呼吸荒かったそうで・・・。笑

いきんでいるときは呼吸の仕方も分からなくなるらしいですが、自分の呼吸を見て

「あ、私今あんまり呼吸出来てなかったんだ。」と自覚して呼吸を整えたり出来たそうです。

よくドラマで見るような、手をとって、「頑張れ!頑張れ!」と応援するような綺麗な雰囲気とは少し離れてしまった出産でしたが、無事出産を終えて、とても可愛らしい赤ちゃんが誕生しました。

これも3月〜12月までゆっくり大事にお腹の中で育んでくれて、こんなハードな出産を乗り越えてくれた妻のおかげと、我々のところに来てくれて、狭い産道を頑張って出てきてくれた我が子のおかげです。

頑張ってくれた二人のために、夫として、父としてこれからは二人に尽くしていきたいと思います。

妻の出産までの流れ

20時28分:妻の破水が発覚。

20時45分:荷物・食べ物を届けに産婦人科に到着。

産院には陣痛室と分娩室があるようで、陣痛室(子宮口が開き切るまで待機する部屋)に妻はいました。

その時は妻も笑顔で「ごめんね。焦ったでしょ。」なんて笑いながら話せる余裕はある様子。強いて言えば、まだ羊水が出続けている感じがするようで気持ち悪い程度。陣痛の間隔は2分おきになっているが、子宮口はまだ2cm。

助産師さんより「破水してるからここから24時間以内には産まれることになると思う。」と伝えられました。すぐに産まれるわけではないからと一時帰宅を促される。

22時58分:自分は妻を残し一時帰宅。妻経由で2〜3時間くらいはゆっくりしてきて良いと助産師さんに言われたようで、妻が準備してくれていたハンバーグを焼いて食べた後、シャワーを浴びて、簡単に自宅内の片付けへ。

日にちを跨ぎ・・・。

0時58分:妻からの連絡あり。「ごめん。もう痛くて話せない。」

1時08分:再び産婦人科到着。

さっきまでふざけた話をしていた妻の影はなく、うずくまり、うなり、時折食べたものが戻ってしまっている。

無力さを身にしみて実感しました。頭や背中をさすったり、水を飲むように促したりすることはできても何も助けてあげられない。腰も痛そうなので揺すったりしようとしましたが、全力で揺らすのは良くないみたい・・・。

呼吸が早く、口は乾くみたいなので、差し入れとしての水は1〜2本では足りないかも・・・。自分の妻はお茶も飲みたくなくてひたすら水を求めていました。ゼリー系やスポーツドリンク系も持って行っていましたが、妻には合わなかったみたいです。

30〜40分おきくらいに助産師さんが子宮口の確認をしてくれていて、

んー。まだ5cmくらい。

・・・お、7cmくらいまで来たね。

・・・。9cmくらいかな。まだ開ききっては無さそう。

3時50分:子宮口が開ききったようで、いざ分娩室へ。

驚いたことに、分娩室までは歩いて行くんですね。・・・普通なんですか?

助産師さんが妻に寄り添ってくれたので、急いで自分はガウンと帽子(髪の毛が落ちないような)を被り分娩室へ行きました。

分娩室の中は歯医者さんのライトを5〜6倍にしたような照明が置いてありました。割と暖房はきいていたので暖かく、ガウンなども着ていたのでうっすら汗をかきました。もし冬に奥様の出産に立ち会う人は、少し薄手の衣服にした方がいいかもしれません。

いやそれどころではありません。

中では助産師さん1人と補助さん?が2人待機していました。

いわゆるドラマでは立ち会いの際に妻の横で手を取って「頑張れ!」と励ましているご主人の画角がよく写っていますが、自分が立ち会った産院では、旦那の立つ位置はなんと妻の頭側でした。

初めは妻の手を取って「頑張れ!」とやっていたのですが、頭側なので上手く力めず・・・。結局、妻は「下側にあるレバーを握って!」と言われて、どこに触れてて良いかわからず、妻の頭や首を支えていました。

妻も汗ばんできたので、手で仰いだりもしていましたが、気の利く補助さんが「うちわ」を渡してくれて、それで仰いだりもしていました。

頭が見えてきた頃、助産師さんに「頭見えてきましたよ!ご主人もご覧になってください!」と言われましたが、妻は恥ずかしがり屋で自宅では下着も洗わせてくれません。なんなら、産まれる前から、「下側にはいないでよ?(産まれてくるところは見ないでよ?)」と言われていました。

なのに「え、妻に確認してから・・・」とも言えず、罪悪感を感じながらチラッとだけ覗き「あぁ。凄いですね。」と薄い反応になってしまいました。

凄かったんですよ?髪の毛が見えてきて、「本当に人が入っているんだ!」なんて凄い感動もしたんです。ただ妻もそれどころではない。助産師さんもそんな話をしているなんて知らない。「なんとも言えない罪悪感」と「生命の誕生に立ち会う感動」が相まって、一人でパニックになっていました。

定位置に戻り、「いきみたいタイミングで一気にいきんでね!」と妻が言われてました。いきみ方もあるんでしょうが、いきむ時は長くいきむそうです。途中でいきむのをやめると「もう少しいきんで!頑張って!」と声をかけられていました。

後々聞いた話ですが、気がついたら自分(旦那)の方が深呼吸してみたり、呼吸方法をやっていたそうで、妻は必死で呼吸の仕方も分からなくなってしまったそうですが、自分を見て「あ、呼吸出来ていなかったんだ!」と自覚して呼吸するといった感じだったそうです。

そして運命の出産。

赤ちゃんが出てきました!

みんなで「本当頑張ったね!!」と感動も束の間。

赤ちゃんの顔が真っ青なんです。

それもそのはず、臍の緒が首に2周巻きついていて、肩にも巻き付いていました。

頑張った妻の第一声は「え。赤ちゃん泣かない・・・。」

涙が溢れました。

妻の出産前日

自分でもブレブレのbrogになってきていると感じてますが、この度、12月に第一子が誕生したことを報告させてください。

今までのbrogは自分が好きなカフェだったり、行きたいところばかり上げていましたが、今後は妻の様子や子供のことなど一人の男性目線で記載することが多くなりそうだと思っています。

割と飽き性なので、ゆるい日記感覚でやっていくと思います。

「陣痛が先か、破水が先か。」妊婦さんは気にされるようです。

無知な自分としては「破水が先の方がわかりやすくて良いのでは?」と思っていましたが、自分の妻は「陣痛が先が良い」と言っていました。

破水は「高位破水」と言って、いわゆるテレビで見るような「水がばしゃーん」のようなものではなく、「チョロチョロ」と水が出てきてしまい、わかりにくい状態があるそうです。羊水が減少してくると胎児の感染リスクが上がってしまい、危険な状態になります。

妻もそのことを気にして「陣痛が先!」と常に話していました。

 

出産予定日のおよそ2週間前(正確には12日前)。

自分の仕事が終わり、自宅へ向かうと妻から連絡がありました。

「なんか水っぽいのが不安だから病院行ってくる!」

妻の心配が楽になるなら良しと思い、「晩御飯気にしないでね」なんて会話をしていました。妻も晩御飯の支度は済ませてくれていたので、「なんなら作ってしまおうか」と悩んでいましたが、産婦人科が自宅近所なので、妻と一緒に帰ることを優先し、産婦人科前で呑気に待機していました。

そしたら妻から一本の電話が・・・。

「もしもし〇〇君?ちょっと助産師さんに代わるね。」

・・・ん?。待てよ?助産師さん??

一気に脈拍が速くなりました。

 

助産師さん:「〇〇さん。奥様の破水が確認されましたので、このまま入院となります。」「入院時に必要となるものがあれば持ってきて頂いて、奥様も何も召し上がられていないようなので、食べ物も持ってきてください。」

幸い、妻の心配性な性格のおかげで、入院時に必要な荷物セットは1〜2ヶ月くらい前から準備していてくれたので、急いで自宅へ戻り、入院セットを持って家を出ました。

大きなバック二つを持ち、自転車に乗って向かう最中にコンビニで食べ物を買う。

その時、頭をよぎりました。

(・・・コンビニ入る時、荷物どうしよう。)

結局大きな荷物を持ちながら、コンビニのカゴ(初めて利用した気がする・・・)を持って、妻の好きそうな食べ物を次々と入れる。寒かったのでピザまんなどの温かいものも買いました。

 

夜20時ごろでしょうか。病室に着くと妻と助産師さんが明るく迎えてくれました。

「急にごめんね。びっくりしたでしょ。」

・・・そりゃそうだよ。なんて話をしながら食べ物を渡すと、妻も自分が食べていないことを心配してくれていました。

ただ、それどころじゃなく、不思議と全然お腹が空いていない。

買ってきたものを笑顔で頬張る妻を見て、安心したような、これから本番か・・・と不安なような心境でした。