妻の出産までの流れ

20時28分:妻の破水が発覚。

20時45分:荷物・食べ物を届けに産婦人科に到着。

産院には陣痛室と分娩室があるようで、陣痛室(子宮口が開き切るまで待機する部屋)に妻はいました。

その時は妻も笑顔で「ごめんね。焦ったでしょ。」なんて笑いながら話せる余裕はある様子。強いて言えば、まだ羊水が出続けている感じがするようで気持ち悪い程度。陣痛の間隔は2分おきになっているが、子宮口はまだ2cm。

助産師さんより「破水してるからここから24時間以内には産まれることになると思う。」と伝えられました。すぐに産まれるわけではないからと一時帰宅を促される。

22時58分:自分は妻を残し一時帰宅。妻経由で2〜3時間くらいはゆっくりしてきて良いと助産師さんに言われたようで、妻が準備してくれていたハンバーグを焼いて食べた後、シャワーを浴びて、簡単に自宅内の片付けへ。

日にちを跨ぎ・・・。

0時58分:妻からの連絡あり。「ごめん。もう痛くて話せない。」

1時08分:再び産婦人科到着。

さっきまでふざけた話をしていた妻の影はなく、うずくまり、うなり、時折食べたものが戻ってしまっている。

無力さを身にしみて実感しました。頭や背中をさすったり、水を飲むように促したりすることはできても何も助けてあげられない。腰も痛そうなので揺すったりしようとしましたが、全力で揺らすのは良くないみたい・・・。

呼吸が早く、口は乾くみたいなので、差し入れとしての水は1〜2本では足りないかも・・・。自分の妻はお茶も飲みたくなくてひたすら水を求めていました。ゼリー系やスポーツドリンク系も持って行っていましたが、妻には合わなかったみたいです。

30〜40分おきくらいに助産師さんが子宮口の確認をしてくれていて、

んー。まだ5cmくらい。

・・・お、7cmくらいまで来たね。

・・・。9cmくらいかな。まだ開ききっては無さそう。

3時50分:子宮口が開ききったようで、いざ分娩室へ。

驚いたことに、分娩室までは歩いて行くんですね。・・・普通なんですか?

助産師さんが妻に寄り添ってくれたので、急いで自分はガウンと帽子(髪の毛が落ちないような)を被り分娩室へ行きました。

分娩室の中は歯医者さんのライトを5〜6倍にしたような照明が置いてありました。割と暖房はきいていたので暖かく、ガウンなども着ていたのでうっすら汗をかきました。もし冬に奥様の出産に立ち会う人は、少し薄手の衣服にした方がいいかもしれません。

いやそれどころではありません。

中では助産師さん1人と補助さん?が2人待機していました。

いわゆるドラマでは立ち会いの際に妻の横で手を取って「頑張れ!」と励ましているご主人の画角がよく写っていますが、自分が立ち会った産院では、旦那の立つ位置はなんと妻の頭側でした。

初めは妻の手を取って「頑張れ!」とやっていたのですが、頭側なので上手く力めず・・・。結局、妻は「下側にあるレバーを握って!」と言われて、どこに触れてて良いかわからず、妻の頭や首を支えていました。

妻も汗ばんできたので、手で仰いだりもしていましたが、気の利く補助さんが「うちわ」を渡してくれて、それで仰いだりもしていました。

頭が見えてきた頃、助産師さんに「頭見えてきましたよ!ご主人もご覧になってください!」と言われましたが、妻は恥ずかしがり屋で自宅では下着も洗わせてくれません。なんなら、産まれる前から、「下側にはいないでよ?(産まれてくるところは見ないでよ?)」と言われていました。

なのに「え、妻に確認してから・・・」とも言えず、罪悪感を感じながらチラッとだけ覗き「あぁ。凄いですね。」と薄い反応になってしまいました。

凄かったんですよ?髪の毛が見えてきて、「本当に人が入っているんだ!」なんて凄い感動もしたんです。ただ妻もそれどころではない。助産師さんもそんな話をしているなんて知らない。「なんとも言えない罪悪感」と「生命の誕生に立ち会う感動」が相まって、一人でパニックになっていました。

定位置に戻り、「いきみたいタイミングで一気にいきんでね!」と妻が言われてました。いきみ方もあるんでしょうが、いきむ時は長くいきむそうです。途中でいきむのをやめると「もう少しいきんで!頑張って!」と声をかけられていました。

後々聞いた話ですが、気がついたら自分(旦那)の方が深呼吸してみたり、呼吸方法をやっていたそうで、妻は必死で呼吸の仕方も分からなくなってしまったそうですが、自分を見て「あ、呼吸出来ていなかったんだ!」と自覚して呼吸するといった感じだったそうです。

そして運命の出産。

赤ちゃんが出てきました!

みんなで「本当頑張ったね!!」と感動も束の間。

赤ちゃんの顔が真っ青なんです。

それもそのはず、臍の緒が首に2周巻きついていて、肩にも巻き付いていました。

頑張った妻の第一声は「え。赤ちゃん泣かない・・・。」

涙が溢れました。

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